人はなぜ病気になるのか

大きく分けると、次の二つが病気の原因と考えられています。

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身体の外から入ってくる“異物

  • 病原微生物(ウイルスや細菌など)
  • 化学物質(医薬品や食品添加物・汚染された大気や水に含まれるもの)
  • 重金属(鉛・水銀・クロム・マンガンなど)など・・・

体内で過剰に発生する“フリーラジカル

 フリーラジカルは、体内の化学反応の副産物として常に産生されている反応性の強い過激分子です。

いま話題の活性酸素もその一つで、マクロファージや好中球などの食細胞が異物を処理する際の武器として利用する、 身体にとってはとても重要な物質ですが、過剰になると正常な細胞を攻撃し、病気の原因となります。

例えば、肉体や精神が非日常的なストレスを受けた時や、紫外線や電磁波を必要以上に浴びた時などにフリーラジカルが過剰に発生します。

 現在では、フリーラジカルはあらゆる病気に関連している他、老化にも関与していることが分かってきました。

 フリーラジカルには多くの種類がありますが、病気との関連では次の3種類が特に注目されています。

◆ スーパーオキシドラジカル  (・O2-)
侵入してくる“異物”を分解するために食細胞が武器として使う、生体にはなくてはならない存在です。

体内の消去酵素(SOD)で分解されて過酸化水素(H2O2)になります。

◆ ハイドロキシルラジカル (・OH)
H2O2に鉄などの金属イオンが反応して生成されます。

反応性が非常に強いため、遺伝子(DNA)の鎖を直接傷つけて細胞の突然変異を起こします。

◆ 一酸化窒素 (NO)
生体内では、血管を拡張したり、血液が体内で固まらないようにしたり、食物を運ぶために腸を動かすなどの働きをしています。

不足しても過剰になっても、病気の原因となります。

車の排気ガスやタバコの煙の中に大量に含まれていることが問題になっています。

日本での死亡原因の推移
1947年 2016年
第1位 結 核 悪性新生物
第2位 肺炎・気管支炎 心臓病
第3位 脳卒中 肺炎
第4位 悪性新生物 脳血管疾患
第5位 心臓病 老衰

死亡原因の上位は、昔は異物による感染症でしたが、近年ではフリーラジカルによって起る病気へと変化していることがわかります。